INDEX

  1. 大学スポーツ応援に学生の活気を取り戻す!学生アンバサダー発足の経緯
  2. スポーツを「支える」喜びは、選手に力を与え、選手から力をもらうこと
  3. 学内外が一体となるスポーツ観戦の場を作りたい

INTERVIEWEE

 
金子 暖佳
KANEKO Haruka
東洋大学 国際観光学部国際観光学科 4年


高橋 美海
TAKAHASHI Miu
東洋大学 国際観光学部国際観光学科 4年


水上 真里奈
MIZUKAMI Marina
TOYOスポーツセンター事務室 

大学スポーツ応援に学生の活気を取り戻す!学生アンバサダー発足の経緯

――まずは、TOYOスポーツセンター事務室の水上さんにお聞きします。「TOYO SPORTS CENTER(以下、TSC)」の設立経緯を教えていただけますか。

 
水上さん

TSCの設立には、2016年に東洋大学とスポーツの有機的かつ長期的な関係性を構築するための「TOYO SPORTS VISION」を策定したことが背景にあります。「スポーツを『哲学』し、人と社会と世界をむすぶ。」という理念のもと、スポーツに関する研究や公開講座の開講など、さまざまなプロジェクトを推進してきました。

この「TOYO SPORTS VISION」に基づく取り組みを、より強固なものにするために設立されたのがTSCです。これまで継続してきた研究活動や公開講座をはじめとする社会連携活動をより深化させていくと同時に、アスリートを総合的にサポートすることを目的に開設されました。スポーツをする上で欠かせない、メディカル・フィジカルケアだけでなく、成績管理や履修指導等の学習支援や、就職キャリア支援、また、スポーツと地域を結ぶ社会連携も手掛けることが大きな特長となっています。

――2016年から東洋大学が注力してきたスポーツに関する事業を、より発展させるための機関としてTSCが生まれたのですね。学生アンバサダーを募集し、TSCの活動に参画してもらうことには、どのようなねらいがあったのでしょうか。

先ほど述べた「TOYO SPORTS VISION」で特に力を入れてきたのが、「スポーツを『する』人『みる』人『ささえる』人の育成」と題した取り組みです。アスリート自身の支援はもちろん、多角的にスポーツを観戦する視野を培う学びの提供や、ボランティア活動に従事する学生のサポートなどを行っていました。しかし、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、スポーツイベントが中止や延期、無観客開催を余儀なくされたことから、大学スポーツを学生が応援する文化が薄れてしまったように感じています。

そこで、学生による、学生のための応援文化を作るために、スポーツアンバサダーによる活動を始めることにしました。学生たちはSNSでの情報発信に長けています。SNSで積極的に情報を発信し、多くの学生を巻き込んでもらいたいですね。そして、大学スポーツの応援を通じて、学生たちがより東洋大学を好きになってもらえれば良いと考えています。
 

<関連コンテンツ>
TOYO SPORTS VISION ~スポーツを「哲学」し、人と社会と世界をむすぶ。~

 

スポーツを「支える」喜びは、選手に力を与え、選手から力をもらうこと

――続いて、学生アンバサダーのお二人にも話を伺いたいと思います。お二人が、学生アンバサダーになった理由を教えていただけますか。
 

金子さん

金子 私が学生アンバサダーになったのは、「スポーツが好きだから」のひと言につきます。父親が元プロ野球選手であり、母親は元テレビ朝日記者、弟も六大学野球で野球に励んでいて、いわゆる「スポーツ一家」で育ってきました。自分も何かスポーツに関わりたいという思いを常に抱いていたため、学生アンバサダー活動についてTOYOスポーツセンター事務室の方から教えていただいたときには、すぐにチャレンジすることを決めました。学生アンバサダーの活動を通して、自分なりに大学スポーツを支えることができればと考えています。
 

高橋さん

高橋 東洋大学に進学を決めた理由の一つに、「体育会をはじめとしたスポーツ活動が盛んで、同年代の学生アスリートたちと一緒に学生生活を送ってみたい」という思いがありました。実際に大学生活を過ごす中で、運動部に貢献できることはないかと考え始めていたときに、金子さんと同じくTOYOスポーツセンター事務室の方から学生アンバサダーの紹介を受けました。幼い頃からサッカー観戦や箱根駅伝の沿道の応援に訪れていたこともあり、人々の応援がアスリートの力になることを肌で実感していたのも、学生アンバサダーとしてスポーツを応援したいと思った背景にありますね。

金子 アスリートの活動に注目してしまいがちですが、東洋大学がビジョンで掲げているように、スポーツにおいては「支える」行為もとても重要ですよね。2021年の東京オリンピックでのボランティア活動や、球場で選手に食事を提供するアルバイトに挑戦したことで、支える人がいて初めてスポーツが成り立つのだと気付きました。

高橋 自分の応援や行動が選手の活躍につながり、選手の活躍を見て、自分もさらに応援に気合いが入る……ということもよくありますよね。私たちの学生アンバサダーとしての活動が、そのような「スポーツを軸にした、選手と観客のモチベーションの好循環」のきっかけになれたらと思っています。
 

学内外が一体となるスポーツ観戦の場を作りたい



――学生アンバサダーとしての初舞台は、2023年6月23日・24日に行われた東都大学野球春季リーグ戦1部・2部入替戦でしたね。当日を終えての感想を聞かせてください。


金子 とても楽しかったですし、野球部が連勝して1部昇格を決めたことをうれしく思います。また、東洋大学の歴史の中で、初めての試みである「学生アンバサダー」という職務を無事に果たせたことにも安心しました。TOYOスポーツセンター事務室の方や、野球部・応援指導部の部員など、多くの方々のサポートがなければ、神宮球場で活動はできなかったですし、1部昇格の歓喜の瞬間をともに迎えることもできませんでした。2022年の入れ替え戦も観戦していて敗戦を目にしていただけに、喜びが二重にも三重にもなったように思います。

高橋 学生アンバサダーの活動として、スタンドからの応援に加えて、当日来場した学生の受付窓口などを担当しました。来場特典として、希望者にオリジナルTシャツを配付したのですが、着用して応援してくれている方をたくさん目にして、とてもうれしかったです。実は、特典のTシャツと、私たち学生アンバサダーやTOYOスポーツセンター事務室の方の「ユニフォーム」となるTシャツのデザインは同じです。同じグッズを身に着けて、同じ目線で一体感をもって応援することができたのではないかと感じています。また、在学生に対してだけでなく、卒業生の方や一般の来場者にも、東洋大学のオリジナルメガホンをお渡ししました。たくさんの方とコミュニケーションを取ることができ、良い経験になったと思います。
 
応援グッズとして配布したオリジナルTシャツ

試合後には、入替戦1戦目で先発した細野晴希選手への取材も行った

――今後の活動に勢いがつく経験となったのですね。最後に、これからの目標を教えていただけますか。

高橋 秋からは、私が特に興味を持っている陸上競技のハイシーズンが始まります。日本学生陸上競技対校選手権大会(インカレ)や三大駅伝(※)が開催されるため、今後も熱を入れて応援していきたいと思います。また、在学生に選手の存在を知ってもらえるような取り組みもスタートさせたいです。同じ大学で過ごす仲間が、「東洋大学」の名前を背負って競技に挑んでいることを知れば、きっと応援したい気持ちがわきますし、自分を奮い立たせる原動力にもなるはずです。SNSでの投稿などを積極的に行い、東洋大学のスポーツのさまざまな情報を発信していきたいと考えています。

金子 私は、大学スポーツの魅力をたくさんの方に知ってもらうための活動をしていきたいと思っています。スポーツへの関心が薄い方でも「面白そうだな」と思ってもらえるような、さまざまな知識や学生アスリートの素顔などを発信していきたいです。現在4年生のため、卒業までの残りわずかな期間ではありますが、多くの競技について学び、観戦し、スポーツに対する視野を広げることが目標です。

高橋 大学スポーツの応援文化を盛り上げることはもちろん、自分たちも楽しみながら卒業までの学生アンバサダー活動を充実させたいですね!

※三大駅伝…「出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)」「全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)」「東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」の3つの大会の総称
  

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